広島中華そばに関わる地元の製麺所を調べた~広島のソールフードを一層楽しむために~【ひろしまイク麺紀行③】
広島のお好み焼きには、関西風とは異なり、中華麺が入るのが特徴です。関西の一銭洋食がルーツとされている広島のお好み焼きですが、中華麺が使用され、現在のお好み焼きの姿となったのは、昭和30年代に入ってからのことのようです。
地元民がお好み焼きと同様に、こよなく愛しているのが広島中華そば(ラーメン)です。2000年(平成12年)に入ってからは、新たなソールフードに、広島冷麺(つけ麺)、汁なし担々麺が加わりました。
私がおすすめする広島冷麺(つけ麺)のお店は、こちらの記事をご覧ください。
このように、広島の麺需要は増えるばかりです。
そこで、広島市を中心とする地域に中華麺の製麺所がどのくらいあるのか、どこの製麺所がどういったお店に麺を提供しているのかを調べてみることにしました。
広島中華そばのルーツを動画にまとめた!!Youtube初挑戦【ひろしまイク麺紀行④】
結果は、下表のとおり。
会社名 | 本社所在地 | 創業 | 主な提供店舗 |
有限会社三田製麺所(旧よど屋) | 広島市安佐南区祇園1-3-20 | 大正13年 | つけ麺本舗ばくだん屋、ちから |
升萬食品有限会社 | 広島市西区中広町3-9-10 | 昭和4年 | 麺屋一〜ICHI〜、らぁめん紺屋 |
有限会社原田製麺 | 広島市中区江波栄町1-16 | 昭和25年 | すずめ、陽気、中国風麵処新華園、つけ麺流行屋 |
株式会社マルバヤシ(旧丸林食品) | 広島市西区商工センター7-3-52 | 昭和22年 | 長浜ラーメン博多屋、札幌ラーメンどさん子 |
井辻食産(旧井辻美代次) | 広島市安佐南区長束5-6-8(旧広島市中区基町3番地) | 昭和22年 | 広島ランメン、餃子屋龍 |
株式会社ひまわりフーズ(旧口位製麺所) | 廿日市市串戸1-5-7 | 昭和23年 | 汁なし担々麺専門キング軒、つけ麺本舗辛部 |
丸島製麺所 | 広島市中区西平塚町10-5 | 昭和20年代 | 中華そばうぐいす、中華そばへんこつ、喜八屋 |
有限会社なか川 | 大竹市晴海2-10-7 | 昭和23年(製麺) | |
株式会社庄子食品 | 広島市西区商工センター1-8-42 | 昭和24年 | |
株式会社うすい中華(旧うすい製麺) | 広島市東区矢賀6-6-18 | 昭和32年 | 中華そばつばめ |
磯野製麺株式会社 | 広島市東区東蟹屋町18-15 | 昭和37年 | つけめんひこ、唐々亭、お好み焼き大樹、八昌、みっちゃん、電光石火 |
第一食品工業株式会社 | 広島市南区出島2-4-58 | 昭和38年 | 中華そば千番、藤原ラーメン |
有限会社田川製麺 | 広島市西区中広町3-27-19 | 昭和41年 |
製麺所の多くは、戦後に創業していることがわかります。中には中国(満州含む。)から帰国した者が、中国の製麺技術を元にして開業した製麺所もあるようです。ちなみに日本では、小麦粉を練って伸ばし、切って作るスタイルの製麺手法は江戸時代から存在しており、製麺機が用いられるようになったのは、明治時代からのようです。その多くは、そば(うどん)を製麺していたようですが。
地域で最も古い製麺所は、1924年(大正13年)創業の「有限会社三田製麺所」です。近年、広島のソールフードに加わった広島つけ麺のお店「つけ麺本舗ばくだん屋」に提供しています。
店舗数を増やし続けている「つけ麺本舗辛部」「汁なし担々麺専門キング軒」には、1948年(昭和23年)創業の「口位製麺所(現)ひまわりフーズ」が提供しています。
広島ラーメン(中華そば)のお店では、「すずめ」には「原田製麺所」、「うぐいす」には「丸島製麺」、「つばめ」には「うすい中華」が提供しています。同じ小鳥系でも製麺所は様々、製麺所との二人三脚により、それぞれの店舗の味が作り出されています。
1963年(昭和38年)創業の「磯野製麺」は、広島お好み焼きの老舗「みっちゃん」をはじめ、近年店舗が増加している「八昌」「電光石火」「ちんちくりん」、さらには、ミシュランガイドにも掲載された「大樹」など、数多くのお好み焼き店に提供していることがわかります。
広島のソールフードに欠かせない、
縁の下の力持ちである製麺所を認識しながら各お店をめぐると、日ごろ通っているお店でもまた違った味わいや楽しみ方に出会えるのではないでしょうか。
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